外交

下村文科相発言の問題点(“民度”は使うべきではない)

昨日に引き続いて政治家の問題発言ネタ。まずはニュースソースから。下村文科相「フェアな形で試合を」(NHK) 下村文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で、サッカーの日本対韓国の試合で、韓国のサポーターたちが「歴史を忘れた民族に未来はない」と書かれ…

核武装はあり得ない

北朝鮮の核実験発表を機に、2chや一部のネット右翼ブログで「日本の核武装賛成論」を度々目にするようになっていますが、昨日の朝のテレビ番組では、自民党の強硬派として有名な中川昭一政調会長が核兵器保有容認とも取れる発言を行ったようです。 [北朝鮮核…

安倍晋三と周恩来

10月7日の毎日新聞の岩見隆夫「近聞遠見」が印象に残りました。安倍首相が対中外交を無難にこなしたことを評価すると同時に、中国との慎重な付き合いを促す記事。近聞遠見:35年前、周恩来の「日本観」=岩見隆夫かつての周恩来首相と米国のキッシンジャー…

ガス田中国提案は僅かながら進歩

id:dslender:20060305#p1でとりあげた東シナ海ガス田開発問題に関する日中局長級協議の話題です。 昨日の一部報道では、「中国側からは尖閣諸島周辺の日本領海での共同開発提案」となっていました。その報道を聞いた瞬間は、「中共は何というトンデモ提案を…

ガス田問題は共同開発への道を探るべし

明日3月6日から、東シナ海ガス田開発問題に関する日中の局長級協議が再開されます。 詳しい人には釈迦に説法ですが、この問題についての超簡潔な入門的概説を。東シナ海ガス田問題とは、日中の排他的経済水域内にあるガス田を中国が開発したことに関わる問題…

麻生氏の毒舌は諸刃の剣

麻生外相の北方領土関連発言に対し、ロシア外務省が「内政干渉だ」と文句をつけた件について。 麻生外相領土発言 日ロ間に新たな火種(北海道新聞) 麻生外相発言、ロシアが批判 「内政干渉と解釈」(朝日新聞) 朝日の方の記事を引用します。 ロシア外務省は2…

竹島問題への私見

今日は、島根県の条例に定められた「竹島の日」。多数の保守派ブログ(ネット右翼を含む)が竹島問題をとりあげているでしょう。「社会派DS」も少々触れてみます。 竹島問題の基礎知識については割愛します。大雑把な概論はid:dslender:20051211に書きました…

「中国は脅威」の解釈のギャップ

昨年、民主党の前原代表が「中国脅威論」をぶち上げて以来、「果たして中国は脅威なのか」という議論を時々見かけるようになりました。 軍事費を増強し続ける共産主義体制の隣国である中国が、潜在的に脅威になり得る存在であることに異を唱える人は少ないと…

中国からの報道規制要求について

3日遅れ。既に各所の保守派やネット右翼系ブログで見かける話題ですが…日本の「中国脅威論」に懸念表明 局長級協議で中国側(朝日新聞) 日中関係を重視する朝日新聞らしく、様々な背景まで詳しく書かれていますが、ひとまず崔天凱アジア局長が日本に対して報…

中国進出の可否は企業自身が決めるべきこと

12月25日のエントリで言及した文芸春秋社の「諸君!」2月号の「中国に物言えぬ財界人よ 「社益」を排し「国益」を直視せよ」という記事について書きます*1。中嶋嶺雄(国際教養大学学長)氏と中條高徳(日本国際青年文化協会会長)の対談記事。 朝日新聞社の…

海外で戦争できる自衛隊が望ましい

「海外で戦争できる国を目指すのは良くない」と主張しているのは日本共産党。その点には同感なのですが、同時に私は「自衛隊は海外で戦争できるべきだ」と主張します。矛盾はしていません。 昨日の読売新聞の「展望2006」というコラムで、イラク自衛隊に関す…

靖国問題さえ解決すれば日中関係が良くなるか否か

「靖国問題が解決すれば日中関係が良くなる」は真か偽か? “良くなる”が“完全改善”を指すとすれば、明らかに偽です。日中関係の懸案事項は靖国問題だけではないからです。 しかし、ほんの僅かな関係改善でも“良くなる”に含めるなら、真である可能性があると…

上海領事館員自殺事件への所感

外務省、ウィーン条約に違反と中国を批判…館員自殺で(読売新聞) 昨年5月に自殺した中国の在上海日本総領事館の男性館員が、中国側から外交機密に関する情報提供を強要されたとする遺書を残した問題について、鹿取克章外務報道官は28日の記者会見で、「中…

経済産業研究所長による中国経済分析

昨日のエントリid:dslender:20051221の補完として。 経済産業研究所(RIETI)の所長である吉富勝さんの文章にリンク。特に引用はしませんが、実務的な経済の専門家から見た現在の中国経済の問題点が、とても分かりやすく書かれています。 中国が抱える2つの内…

中国とは依然として政冷経熱

朝日新聞で紹介されていた中国新華社通信の主張が少し面白かったので引用&感想を。 日中関係、「政冷経熱」が「政冷経涼」に 新華社通信(朝日新聞) 中国の国営新華社通信は19日、今年の日中関係を振り返る論評を発表した。小泉首相の靖国神社参拝によって…

読売社説で台湾情勢入門

今朝の読売社説は現在の台湾情勢の入門に相応しいので、リンク&一部引用しときます。 その前に超基礎知識を簡単にまとめ。現在の台湾政府の与党は、陳水扁総統が率いる民進党で、中共との対決姿勢を打ち出しています。一方、現在の野党第一党は国民党で、こ…

志位氏が前原氏を「売国外交」と批判した件について

今日は、珍しく共産党や社民党の人の発言をとりあげます。私の政治的基本姿勢はこの両党からは大分離れていますが、普段は批判したりしません。他の保守派ブログがやっていることを、私ごときがわざわざ繰り返す必要はないと思っているからです。 しかし、今…

前原氏の「中国脅威論」は拙かったか

12月9日のエントリ「前原氏の具体的な改正提言」では、民主党の前原代表の講演内容のうち、憲法9条改正の必要性に直接関わる部分だけを取り出して高評価してみせました。「中国脅威論」をぶちあげた部分については、「言いたいことはわかるけど表現的に如何…

竹島問題早分かり

以前、いわゆる北方領土について、北方領土特集という記事にしました。竹島問題についても、ごく簡単にまとめておきます。 竹島に対する政府の公式見解は竹島問題(外務省)に書かれていますが、「国際法」とは具体的に何なのか分からないので入門には不向き…

麻生氏の適切な発言

遅ればせながら、2日前の記事について。書く時間が十分に取れないのです。 外相、参拝中止進言しない…経済分野では中韓と良好(読売新聞) 麻生外相は7日の日本記者クラブでの質疑応答で、小泉首相の靖国神社参拝について、「参拝をやめろと進言するつもりは…

北方領土特集

幼い頃から、「北方領土は日本固有の領土」というPRを多数目にしたり耳にしたりしていましたが、恥ずかしながら、そのように主張する根拠を3年くらい前まで知りませんでした。外務省pageで知った次第。インターネットは有難いです。 北方領土問題の概要(外…

領土問題が簡単に解決するわけがない

日ロ首脳会談 共同声明見送りへ 「領土問題で困難」(朝日新聞) 麻生外相は16日、ロシアのラブロフ外相と、釜山のホテルで昼食を交えて1時間余り会談した。日本外務省の説明では、21日に東京で開かれる日ロ首脳会談で合意を目指していた共同声明の作成に…

占領者に対する評価の難しさ

以前から何度も書いていますが、首相の靖国参拝に対する私の考え方をまとめると次のようになります。 首相が個人的な信条で参拝することに対して反対しない(首相といえども信教の自由は保証されるべし) 参拝するなら、リスク覚悟で。国民生活に支障をきた…

外務大臣は強硬派の方が良い

昨日の読売新聞の記事(多分Web非掲載)に、麻生太郎氏の外務大臣就任に際し、麻生氏が首相に「私のようなタカ派が外相でいいんですか」と訊いたところ、首相が「強硬派の方が外交はうまくいくものだ」と答えた、というエピソードが収録されていました。現在…

日朝政府間協議再開

既に昨日のニュースですが… 日朝政府間協議の早期再開で合意(読売新聞) 町村外相は20日夕、外務省で緊急に記者会見し、昨年末から途絶えている北朝鮮との政府間対話を早期に再開することで日朝が合意したと発表した。 政府は、2002年10月に中断した…