中国からの報道規制要求について

3日遅れ。既に各所の保守派やネット右翼系ブログで見かける話題ですが…

日本の「中国脅威論」に懸念表明 局長級協議で中国側(朝日新聞)
日中関係を重視する朝日新聞らしく、様々な背景まで詳しく書かれていますが、ひとまず崔天凱アジア局長が日本に対して報道規制を要求した件について。

「日本は、中国のことを一体どう思っているのか」。9日の協議で中国外務省の崔天凱アジア局長が佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長に問いかけた。日本側の説明によると、「日本のメディアはなぜ、中国のマイナス面ばかり報道するのか。良い報道がなされるよう中国ではメディアを指導している。日本政府も指導すべきだ」とも述べ、日本政府に「報道規制」を促した。

 佐々江局長は、「中国の発展は脅威ではなく、チャンスだ」との小泉首相の発言を説明。「日本だけが一方的に悪いという主張は受け入れられない。中国としても反省すべき点があるのではないか」と反論し、報道への注文についても「日本ではそういうわけにいかない」と、応じなかった。

表現の自由が保障されている日本での「報道規制」など無理があり過ぎるのは当然。この種の要求は今後も出てくるしょうが、今回の佐々江局長のように丁寧にかつ毅然と対応すれば良いと思います。


全体主義国家の中国の人々にとって、日本の事情を理解するのは相当に困難なのでしょう。


そういえば、先日ナベツネ目的で購入した「論座」2月号には宮沢喜一氏のインタビューが載っていました。宮沢氏は天皇陛下初訪中を実現した際の首相。宮沢氏いわく「中国とは価値観が全然違うから、そういう議論(価値観の共有を要するような立ち入った議論)をすることは危険な場合がある。利害関係の話なら大丈夫。」とのこと。この辺りに、中国との接し方はどうあるべきか、についてのヒントがあるような気がします。


朝日の記事にもありましたが、米中関係は軍事費や人権問題等の対立点を抱えながらも、首脳間の対話は継続しています。おそらく、利害関係の共有ができているのでしょう。


日中はどうでしょうか。靖国関連の対立は宗教・思想問題なので、ある意味で米中関係よりも難しいと言えそうです。それでも、互いの利害のための交流は絶やしてはならないと思います*1。その意味で、一部のメディアやWebに見られるような「中共との交流を全否定するかのような主張」や、具体的な定義づけを欠く「中国脅威論」は、両国の国益にとって百害あって一利無しでしょう。

*1:昨日の記事で言及した経済関係などは、まさに利害に基づく日中関係です