上海領事館員自殺事件への所感

外務省、ウィーン条約に違反と中国を批判…館員自殺で(読売新聞)

 昨年5月に自殺した中国の在上海日本総領事館の男性館員が、中国側から外交機密に関する情報提供を強要されたとする遺書を残した問題について、鹿取克章外務報道官は28日の記者会見で、「中国側公安当局関係者により、ウィーン条約上の義務に反する遺憾な行為があった」と発表した。

以下、中国関係者が条約違反行為をしていたことを事実と仮定して書きます。


私がこのニュースを聞いたとき最初に思ったことは、「やはり、強制執行力を持たない国際法や国際条約は容易に破られるものだな」ということ*1。中国に限らず、外交の場で他国を信用しすぎてはいけないと思います*2。油断は禁物。

 事件を受け、首相官邸は外務省に対し、在外公館などで機密情報が漏れないよう、情報管理体制の強化を指示した。外務省は本省職員や在外公館の館員らに、情報管理や私生活上の注意を改めて徹底する方針だ。


 また、外務省が報道を受けて初めて事実関係を公表したことを問題視する声も出ている。自民党甘利明政調会長代理は「外交はあらゆる権謀術数が用いられる世界だ。外務省は脇が甘く、対応も遅すぎる」と批判している。

甘利氏と同様の感想を、私も抱きました。


なお、この事件があっても、12月10日に書いた私の中韓「中韓は好きではないが、毛嫌いしない 」を変更する必要は全く感じません。

*1:先の大戦時は、日本にも連合国側にも多数の国際法違反行為がありました

*2:この点で、中国は特に“したたか”だとは言えるかも知れません