第2次安倍政権への現時点評価(Twまとめ)

最近、twitterで安倍政権の諸政策に対する所感を時々ツイートしているので、こちらにざっと並べて、一言コメントをつけておきます。経済政策関連が多いかな。

衆院選前の冷泉彰彦氏の記事へのリンク。冷泉氏の指摘の通り、インフレターゲット政策にしろ公共事業強化にしろ、マクロ経済的にうまくいくか否かは様々な外部要因に依存するので、ギャンブル性があると言えばあります。とは言え、景気対策は急務なので「とりあえずやってみる」という思い切りの良さがあっても良いかとは思います。

インフレターゲットについては、最近も関連ツイートを投稿しました。

FINANCIAL TIMESの記事へのリンク。確かにインフレは貯蓄の価値を目減りさせますし、貯蓄額が多いのは富を蓄えた高齢者です。安倍政権の経済政策が所得分配のあり方にも大きな影響を与えるかも知れないという指摘にはハッとさせられます。

女性の就労を促進してGDPを上げよう、という主旨の記事へのリンク。ツイートでは私の所感を書かなかったのでここに書きます。確かに一理ある主張ですが、雇用問題にも関わることなので、記事中にも指摘がある「同一労働同一賃金政策」や、あるいはhttp://d.hatena.ne.jp/dslender/20130310/p1で言及した解雇規制緩和問題とも合わせて議論されるべき課題であり、決して簡単ではないでしょう。


ところで、安倍首相は先日TPP交渉参加を表明しました。TPPについては先日以下のような連続Tweetをしました。朝日のスティグリッツへのインタビュー記事を読んで、どうしても書きたくなったのです。

以上の9連続ツイートは、スティグリッツ発言の“都合の良い”部分だけを強調して見出しを付ける朝日新聞批判でもあり、「TPPは全国民のためにならない」的な脅迫まがいの極論を用いる一部のTPP反対派への苦言でもあります。


さて、主に外交に関するツイートは次の2つ。

中韓との関係を含む外交については、第1次安倍政権の際も無難にこなしていた印象があるので、私はさほど心配していません。


ところで、少し気になるのは以下の問題。

私にとって安倍さんは嫌いなタイプの人ではありませんが、情緒的ナショナリズム的な発言や側近の存在は気になってしまいます。憲法改正のためには有権者の半数の同意が必要なので、「伝統」「郷土愛」「愛国心」のような非実用的かつ主観的なことに拘るのは得策ではありません。まあ、改憲が頓挫するのは大した問題ではありませんが(日本は現行憲法でもそこそこうまくやっていると思うので)、少子化問題など国全体の経済に関わる政策にまで支障をきたすようでは困ります。


最後にちょっとした補足。現在の経済指標は一見好調に推移しているようにも見えますが、これは安倍政権の政策への期待感の反映が殆どであり、「アベノミクス」(あまり美学的に好きになれない言葉ですが)の具体的成果が現れるとすれば、もう少し先だと思われます。政権発足からまだ僅か3ヶ月。引き続き安倍政権には注目していきます(特に経済関連で)。