志位氏が前原氏を「売国外交」と批判した件について

今日は、珍しく共産党社民党の人の発言をとりあげます。私の政治的基本姿勢はこの両党からは大分離れていますが、普段は批判したりしません。他の保守派ブログがやっていることを、私ごときがわざわざ繰り返す必要はないと思っているからです。


しかし、今日は例外。キーワード「売国」が気になりました。
異常な「日米同盟優先」/前原氏発言で志位委員長(しんぶん赤旗)

 日本共産党志位和夫委員長は十三日、京都市内の会見で、民主党前原誠司代表が憲法九条改定や中国を「現実的脅威」などとする発言についての見解を問われ、「異常な『日米同盟最優先』の立場に立つもので重大だ」とのべました。


 志位氏は、前原氏が、集団的自衛権を行使できる方向での憲法九条改定を米国に誓約してきたことについて、「海外での武力行使のための憲法改定をアメリカに約束するというたいへんな売国外交だ」と厳しく批判しました。

私は「売国」を用いて他者の政治的主張を批判する行為が大嫌いです。理由は、過去記事「売国奴」を用いた批判など読むに値しないに書いてあります。ネット右翼を意識して書いたものですが、左派の共産にも勿論あてはまります。


ところで、志位氏によると『日米同盟最優先』は異常だそうですが、この時点で私とは絶対に話が合いません。私は、『日米同盟最優先』が最も無難であり、圧倒的な強国である米国を蔑ろにするのは国にとって危険だと思います。だからといって、私は志位氏を「売国奴」とは呼びません。日米同盟を捨てて満足する人も日本には居るのでしょうから。政治とは、「誰の利益を優先するかを決める作業」です。


本題はここまで。ついでに、靖国観批判を少し批判しておきます。

 靖国問題をめぐり、「A級戦犯分祀(ぶんし)されれば参拝したい」とした前原氏の発言について、「靖国問題の本質を理解していない」と批判。さきの侵略戦争を「自存自衛」「アジア解放」の正しい戦争だったとする“靖国史観”こそが問題の核心だとして、「この立場から首相の参拝中止を求めるべきだ」と強調しました。

「“靖国史観”こそが問題の核心」には同意。ただ、前原氏の認識も実質的には同様であり、「本質を理解していない」という批判は当たっていないと思います。なぜなら、靖国神社自身が歴史観に何らかの修正を加えない限り、A級戦犯の“分祀”は実現しないと思われるからです。この段落は、前原氏を批判するために無理やりこじつけた感があります。