海外で戦争できる自衛隊が望ましい
「海外で戦争できる国を目指すのは良くない」と主張しているのは日本共産党。その点には同感なのですが、同時に私は「自衛隊は海外で戦争できるべきだ」と主張します。矛盾はしていません。
昨日の読売新聞の「展望2006」というコラムで、イラク自衛隊に関する話題を扱っていました。撤収の際にはかなりの危険を覚悟しなければならない、という趣旨です。
昨年の12月4日に、サマワで陸上自衛隊の車列に民兵組織*1が投石し、現地警察ともみ合いになる事件がありました。幸い人的被害はゼロでしたが*2。
この事件について、陸自幹部は次のような見解を述べています。
陸自よりむしろ英豪軍の撤収が現実味を帯びたことで、地域の軍事的バランスが崩れ始め、不満勢力が台頭しつつある。ところが、治安維持に当たる英豪軍には手が出せず、弱い自衛隊に矛先が向いたとみるべきだろう。
要するに、駐留軍に不満を持つ勢力が、撤収間際の不安定な時期に相対的弱者狙いの攻撃を仕掛けたというわけですな。客観的物証で正当化できる見解ではないようですが、類似の事件が1994年のルワンダ難民救援活動の際にもあったこと*3を考え合わせると、かなり的確な分析だと思われます。
一般論として、軍の撤退は難しいようです。
遠くない将来、自衛隊はイラクから撤収します。上記のような危険を回避する策として、読売記者は次の2点を挙げています。現在のイラクで取り得る対策は、確かにこんなものでしょう。
- 現地警察や現地住民と連携をとり、情報収集を怠らない。
- 政治の役割としては、撤収後も日本が支援を続け、現地にメリットをもたらすことをアピールすること
それはそれとして、将来的には、自衛隊が海外で戦争できるようにする方が望ましいと思います。自衛隊が「弱い」と舐められずに済むので、安全面でbetterだからです。
「自衛隊の立場が強くなったら危ない国と見なされてテロの標的にされるのでは?」と危惧する人もいるでしょうが、私は杞憂だと思います。テロの標的になるか否かは、主に政治の姿勢に依存すると思われるからです。だから、自衛隊が軍事組織であることをアピールした上で、日本政府は海外で戦争しないことを内外に強く宣言するのが総合的にはbestではないかと思うのです。