麻生氏を釣り師と呼ぶ連中に不快感を覚えた

幾つかのネット右翼系ブログやサイトで「麻生太郎氏は釣り師」という趣旨の記述を見かけました。先日の「天皇陛下靖国参拝を実現すべきだ」等の発言*1に対し、中韓や一部野党や朝日社説などから批判が出ていることを指し、「反日勢力(または売国勢力)が釣れた」とでも言いたいのでしょう。


思想は個人の自由ですが、私は「麻生太郎氏は釣り師」という表現を用いるネット右翼の人々を心の底から嫌悪し、軽蔑します*2


理由その1:麻生氏は批判勢力を“釣る”目的で発言してはいないでしょう。彼なりの信条に基づいて、日本のために良かれと思って「天皇陛下参拝」を主張しているはず。ただし、麻生氏の主張には異論も多いですし、表現の仕方に配慮を欠く場合が多々あるので、批判されるのはごく自然なことです*3


理由その2:こちらがより重要な理由ですが、「釣り」という表現(多分2ch発祥?)には、「釣られる側」をからかうようなニュアンスが込められています。揶揄では政治批判になりません。批判を行う際には、必ずある基準に照らして筋が通っている根拠を書かねば、何の説得力も生まれません*4


もちろん、個人サイトである以上、どんな文章をUPしようが個人の自由です。ただ、政治系ブログ界では「ネット右翼」は目立つ存在です。中韓への下らない揶揄を目にした人々が「日本は変に右傾化していて危ない」と誤解(?)する恐れもあります。既に誤解している人も少なくないような気がします。これって国益的に損だと思います。


尤も、中韓のネット上にもレベルの低い反日発言が混じっていることは承知しています。だからと言って、日本人が彼らと同レベルに堕す必要はないでしょう。相手の態度がどうであっても、感情的に忌み嫌うことなく、批判すべきところがあれば根拠を明確に挙げて批判する、という姿勢が最も望ましいと思います。


ところで、憲法改正自民党の“党是”。もちろん私も支持しております。一方、「社会派DS」の設立理念(大げさな表現ですが)は、ネット右翼的主張が目立つ保守系ブログ界にほんの僅かでも一石を投じることにありました。つまり、ネット右翼批判は「社会派DS」の“ブログ是”なのです。1月は国会での民主党の路線を批判するエントリが目立ち気味でしたが、2月はまたネット右翼問題を意識的に扱っていこうかと思っています*5

*1:id:dslender:20060129

*2:私は「売国奴」という表現も大嫌いです。関連エントリ:「売国奴」を用いた批判など読むに値しない

*3:ちなみに、id:dslender:20060130に書いた通り、私自身は「天皇陛下参拝」を主張すること自体は批判してません。反対派を必要以上に刺激する表現の仕方が賢くないと思っています。

*4:その根拠に他人が“納得”するかは別問題ですが

*5:予定変更の可能性はありますが