首相の格差認識を歓迎

少し前まで「格差はない」との認識を示していた小泉首相ですが、「格差はあるが、悪いことではない」との認識に切り替えました。歓迎です。現に格差を実感する人が存在するのに「格差がない」と言い張る意義はありません*1。格差の存在を認めた上で、対策を講ずるべきか否か、講ずるとしたらどのようなものが相応しいか等、議論していけば良いと思います。


経済格差悪くない、小泉首相が答弁=「ねたむ風潮慎むべき」−参院予算委首相(時事)

 小泉純一郎首相は1日午後の参院予算委員会で、構造改革に伴う経済格差拡大への批判が強まっていることに関し、「わたしは格差が出ることは悪いこととは思っていない」と答弁した。その上で「ようやく今、光が見えてきた」と景気回復の成果を強調する一方、「光が見え出すと影のことを言う(人がいる)。影に対し、どうやって手当てをしていくかが大事だ」と述べ、経済的弱者にも配慮する姿勢を示した。自民党市川一朗氏が「改革一本やりでいいのか」とただしたのに対し、答えた。
 一方、社民党福島瑞穂氏は「貧困層が増えているという認識はあるか」と、社会構造の現状認識をただしたのに対し、首相は「ますます増えているとの認識はない。どの時代でも成功した人と成功しない人がいる」と述べた。
 さらに、首相は「貧困層をなくす対策と同時に、成功をねたむ風潮や能力のある人を引っ張る風潮は厳に慎んでいかないと、社会の発展はない」と答えた。 

「格差は悪いことではない」には異を唱える人も居るでしょうが、私も、格差が存在するだけなら全く無問題だと思っています*2生存権が脅かされるほどに困窮する人への手当てにも言及していることを考えると、適切な認識だと考えます。

*1:このことはid:dslender:20060128に書きました

*2:既にid:dslender:20060121に書いてあります