無根拠批判では異なる思想の者への説得力は生じない

mumur2氏のブログを紹介した一昨日の記事に対し、まさか本家「mumurブルログ」から喧嘩を売られるとは思いませんでした。とりあえず先方へのリンクを。
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/50391880.html


正直、喧嘩はしたくないです。一般に、政治的基本スタンスが違う者同士の議論は多くの場合水掛け論になり、不毛だからです。


mumurブルログはおそらく「(一部の)韓半島人や在日の人による歴史捏造行為は許せないので、多くの人に捏造の事実を広めたい。もはや日本は韓国に謝罪などする必要はない*1」という価値観が最優先なのでしょう。


一方、社会派DSは「統治時代に日本あるいは日本人が(一部の)韓国人に迷惑をかけたことへの謝罪の念が最優先*2。相手の歴史捏造行為は残念だが、民族性の違い等を考えると仕方ない面もある。ただし、根拠のない賠償要求に応ずる必要はなし*3」というスタンスです。要するに、元慰安婦の方々に対する小泉内閣総理大臣の手紙に見られるような現在の政府見解が最も適切だと思っています。


加えて、「mumurブルログ」と「社会派DS」では、ブログ上での批判に対する価値観も相当に(恐らく政治的スタンス以上に)懸け離れているようです。議論しても噛み合うはずはありませんし、双方が納得できる結論に至る望み薄です。


ただ、反論を期待されている方がいらっしゃるようなので、特に気になった箇所だけにコメントします。あくまでも私の価値観に基づくコメントに過ぎないので、万人が納得することなど期待していません。

リアル包茎の管理人は「強制連行も少しはいた」と主張し、社会派DSのdslender氏はそれを「バランスが取れている」と主張してるが、そんなこと知ってる。
こいつらはmumurが「強制連行の被害者は一人もいない」と主張してるみたいだが、全く違う。徴用で日本に来て、そのまま居ついた在日がいるのは知ってる。mumurのみならず、他の人も同様に知ってる。

これ、mumur2氏(リアル包茎の管理人)の主張に対する反論としては、微妙にずれていると思います。ここで、mumur2氏の文章を再引用。

mumurのブルログは、まるで強制連行など無かった、

女性の性暴力は無かった、と言わんばかりである。

「mumur氏が強制連行は無かったと言っている」とは言ってません。「言わんばかり」です。つまり、全否定もしくは無知と取られても仕方が無いような文章を書くことが問題だと思っています。

mumurが問題にしてるのは「我々在日は強制連行された」というテーマ。それに対して、「嘘じゅん」と突っ込んでるの。

この辺はブログに対する価値観の違いなのですが、「嘘じゃん」と切り返すだけでは駄目だと思います。何故嘘なのか、それなりに筋が通った根拠(相手が納得するかどうかは別)が必要だと思っています。


mumur氏の「嘘じゃん」的エントリの典型例にリンク。
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/22484274.html
朝鮮新報の記事を引用したあと、「作り話がお上手ですね」でおしまい。私なら最低限「一人の関係者の“証言”だけで構成され、具体的裏づけが無い記事なので、信用し難い」程度の論拠は書きます。


根拠無き批判は感情的摩擦を強める可能性大。歴史認識や国民性などの違いによる摩擦だけでも大変なのに、感情的な摩擦を更に煽ろうとする姿勢が、私には到底理解できません。

いわば、飛んできたボールを打ち返してるだけ。
意味分かる?
こちらから新たなボール「だけど徴用の在日は少しじゃないか!!」を投げる必要はないの。

必要はない? 正しい事実を指摘する必要がないとは、私には信じられません。これも批判観の違いですな。

mumurの考え方を簡単に説明すると、「相手の具体的な行動を要求するなら根拠が必要、事実の提供及び防衛策としての話題なら根拠無しもOK」というもの。

これについては、「ああ、そうですか」としか言いようがないです。私の場合、批判を書く際にはどんな状況であっても自分なりの根拠を欠かしません。ちなみに、私の(政治に限らぬ)一般的な批判観についてはメインブログのエントリ「Webでの批判の際の心構え」に書いてあります。


mumurブルログのような読者多数のブログが無根拠批判を書くのは勿体無いと思っています。私のような異なる思想の持ち主を説得する可能性を放棄していることになるからです。私は、嫌韓反中系であっても、それなりの根拠を書く人の文章を読むのは好きです。参考になります*4。とは言え、似たような考え方の人を多数引き付ける(まさに「mumurブルログ」の現状)には、たとえ根拠薄弱であっても簡潔な煽り文句の方が有効なのかも知れません。


以上で今日の記事を締めます。再反論、誹謗中傷等、お好きなようにどうぞ。この件について、こちらからの更なる反論はしません。

*1:http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/21077362.htmlの内容から推測

*2:謝罪しても受け入れられない可能性はあります。だからと言って謝罪を放棄するよりも、謝罪し続ける方が、一人の日本人としての私の気分がスッキリしますし、中韓以外のアジア諸国への“心証”を良く保つという意味での国益にもなるでしょう。

*3:この点は勿論mumur氏に同意です。

*4:たとえば私のアンテナにも収録してある某日記とか