天皇の参拝を本気で望むなら麻生氏の態度では駄目

昨日のエントリの補足。麻生氏の靖国関連発言に対し、案の定中国が異を唱えてきました。
麻生外相発言を強く批判 新華社(共同通信)

 中国の国営通信、新華社は29日、天皇靖国神社参拝実現が望ましいとした28日の麻生太郎外相の発言を「こともあろうに天皇参拝を吹聴」との見出しで伝え、強く批判した。
 新華社電は、靖国参拝は日本の指導者が正確に歴史に直面していないことを反映した「厳粛な政治問題」だと指摘し、麻生外相は「中国が反対すればするほど首相は参拝をやめられなくなるといった詭弁(きべん)を使っている」と非難。
 その上で、麻生外相の談話は天皇の参拝を求める右翼勢力の立場を代表するものだと批判した。

やはり、麻生発言の中で、「中国が言えば言うだけ行かざるを得ない」の部分*1が最も嫌われたようです。


結局、麻生氏 =「天皇参拝を求める右翼」というレッテルを貼られてしまいましたが、これ自体は恐らく麻生氏の想定内。また、昨日書いた通り、既に相当悪くなっている日中の政治関係が今回の発言で更に悪化することもないだろうとは思います。


ただ、中国側から天皇と絡めての麻生批判が出てきたことにより、「天皇陛下の参拝」が更に政治的・外交的色合いを強めた可能性があります。だとすると、実現は更に遠のいたと言えると思われます。


麻生氏は、本気で天皇陛下の参拝実現を望むなら、「詭弁」と非難されても仕方ないような放言を避けるべきです。

*1:仮にこの部分の発言なしで、単に天皇参拝を求めただけなら、中国からの非難はなかった可能性があると思います。id:dslender:20051212に書いたような事情で、中国は天皇に対しては悪感情を持っていないし、天皇が政治の外にいることも理解しているはずだからです。