杉村太蔵議員の初質問

昨日は、衆議院予算委員会第5分科会で杉村太蔵議員の国会での初質問がありました。

「僕ら待たされ組」 杉村議員が国会初質問(朝日新聞)
自民杉村太蔵議員、初質問で提言(日刊スポーツ)
日刊スポーツの方から引用します。

ニート、フリーターを時給で働かせるのは大きな国家的損失。どんな投資より、僕らの世代に投資してもらった方がはるかに大きなリターンが出る」「経済団体は新卒採用を撤廃し、雇用の機会を増やして欲しい」と、次々提言した。

「大卒(学部卒)・新卒のみ」を雇用条件に掲げている企業は結構多いのが現状なので、「新卒採用の撤廃」はかなり思い切った提言であり、既得権益への挑戦だと思います。私は杉村氏の主張を全面的に支持します。雇用を新卒に限定することによって有能な人材を逃している可能性が大きいと思われるからです*1

格差社会」にも言及。「散歩中に神社の境内で『彼の給料が17万円になりますように』というお札を見た*2。同じ日、若手IT経営者の家に招かれた時、彼は1本17万円のワインのコルクのにおいをかぎ、ダメだと捨てた。でも僕はそれが勝ち組とは思わない!」。当選直後の奔放発言は影を潜め、半年間の変化をアピールした。

一握りの富者が存在する「格差社会」は良くない、という主張を時々見かけます。それに対し、杉村氏は「金銭的に富んでいるから“勝ち組”とは限らないではないか」と、別の格差観を提示しています。私は彼の格差観にも賛同します*3。雇用が保証されずに生存権が脅かされるようではマズイですが、そうでない限り、日本ではそれなりの暮らしが保障されていると思います。

 杉村氏は「率直に言えば議論がかみ合ったとは思わない。オリンピックじゃないが緊張の極みでした」と総括したが、その後、中野氏から「経済団体にあなたの提言を述べる機会を作りたい」と連絡が入り「この知らせが初質問の一番の成果」と、財界への直接提言へ意欲をみせていた。

質問が「次」に繋がったようで、何より。杉村氏は次の選挙では落選するという予測もあるようですが、得意分野で地道な実績を積み重ねて党に評価してもらえれば、他の新人議員にはない華を持っているだけに、名簿上位登載の可能性が大いにあると思います。

*1:私自身、「大卒新卒のみ」で就職の選択肢が狭まった経験を持っています。ただし私が有能な人材であるか否かは別問題です

*2:このエピソードは、杉村太蔵ブログの2月24日付エントリで紹介されていました。

*3:ついでに、杉村氏は喩え話が上手いとも思います。