村山談話と靖国参拝
民主党の前原誠司代表は11日夜、村山富市元首相と都内で会談した。
村山氏は過去の戦争の「反省とおわび」を表明した村山首相談話(1995年)を出した経緯を説明し「今の政権では(談話は)出せない。小泉純一郎首相は談話の趣旨を理解していない。理解していたら靖国神社に参拝できない」と批判。小泉首相本人にも以前会った際に同様の指摘をしたことを明かした。
村山談話の歴史認識には私も完全に同意していますし、中韓を含む諸外国の反感を買いにくいという意味では最も妥当だと思っています。id:dslender:20060119#p2に書いた通り、小泉首相の歴史認識も本質的にはおそらく村山談話と同じ*1。小泉首相と村山氏の違いは、靖国参拝の有無。靖国神社に参拝しているというだけで、中韓辺りからは「反省は口だけ」と言われてしまうのが現実。一宗教団体を信仰するか否かで歴史観を判断する中韓の姿勢もおかしいと思う一方、遊就館的歴史認識が嫌われるのも当然だと思います。何らかの形でこの歴史認識を克服しないことには、靖国問題の解決はあり得ないでしょう。
なお、昨年8月15日の戦後60周年談話の頃は、ここは政治系ブログではありませんでした。当時メインブログに書いた記事を、id:dslender:20050815に転載しておきました。
前原氏に対しては「(党運営の方針などは)ぶれずに自分で決断することが大事だ。自分も首相の時にそうしてきた」とアドバイスした。
前原氏は社民党が自衛隊を「違憲状態にある」としたことについて、異論を提起、両氏は社会格差是正の必要性で一致した。武村正義元官房長官、枝野幸男民主党憲法調査会長らが同席した。
id:dslender:20060203に書いた通り、社民党が自衛隊を違憲解釈したことで、民主党支持者のうち「左」の層が若干社民党になびく可能性があると推測しています。前原代表が敢えて異論を提起したのには、支持者離れ防止の意図もあるのではないでしょうか(これも推測ですが)。
ところで、村山氏は首相時代「ぶれずに自分で決断した」とのことですが、今になって自衛隊合憲化と小選挙区制導入を反省しているようです。
自衛隊合憲、小選挙区導入を反省=村山元首相が会見(時事)
社民党の村山富市元首相は11日午後、党本部で記者会見し、衆院への小選挙区比例代表並立制導入に賛成し、自衛隊合憲を打ち出した自らの判断について「残念に思う。反省がある」と述べた。さらに、路線転換した執行部を「これで良かった。情勢に応じて戦術・戦略が変わるのは当然」と評価した。
小選挙区はともかく、自衛隊の件は自民との連立を円滑に進めるためには仕方が無かったのでは? それに、id:dslender:20060203に書いた通り、社民党にとっての自衛隊の位置づけは合憲だろうが違憲だろうが根本的に変わってはいません*2。