大日本帝国憲法の戦争責任

読売新聞の不定期連載「検証・戦争責任」を愛読しています。今日のテーマは大日本帝国憲法


昭和初期の一部軍人と政治家は、立憲君主制を蔑ろにし、天皇の権威を利用して戦争へと邁進していきました。そのようなことが可能だった原因の一つに、大日本帝国憲法の立憲制度が欠陥を内在していたことがあります。


京大教授の大石眞氏は、明治憲法の問題点として、次の2点を挙げています。

  • 統帥権(軍を統括する機能)の独立。統帥権天皇が持つとされていたが、これを利用した軍部による政治介入が強まった。
  • 大臣同格制。首相は他の大臣と横並びの権限に過ぎなかったので、結果的に陸軍大臣海軍大臣の発言力が強まった。

一つ目については、この特集で以前にもとりあげられていましたが、二つ目は知りませんでした。


大日本帝国憲法に隙があったことは確かでしょうが、大正期までは立憲君主制がちゃんと機能していたことを考えると、やはり利用しようとした人間の方の責任が大であろうと考えます。


ところで、「検証・戦争責任」の次回は「メディア」。3月初め頃に載るそうです。これは少々楽しみ。