続・総裁選関連の牽制合戦(?)

id:dslender:20060111#p1に引き続き、総裁選関連の興味深い発言を2つほど。森前首相の発言は相変わらずの面白さ。
選挙に勝てる総裁は意味ない 小泉首相を批判(毎日新聞)

 森喜朗前首相は12日、東京都内で講演し、小泉純一郎首相が「ポスト小泉」は選挙に勝てる人物が望ましいとの条件を示したことについて「参院選にエースを送り込んで勝っても、(自民党単独で)過半数は超えない。選挙に勝てる総裁というのはあまり意味がない。小泉さんは分かっていない」と批判した。

 森氏は「(新総裁の下で)やるべき政策をしっかり遂行し、自民党の信頼を高めて選挙を行う。最初から選挙を想定する総裁選は必ずしも正攻法ではない」と指摘。ポスト小泉の本命と目されている安倍官房長官についてリーダーシップを評価する一方、「もし首相やそういう立場になったら逆にもろさがある。もう少し修練してもらうことが大事だ」と語った。

森首相は、次期首相は「汚れ役」を引き受けねばならないと読んでいるのではないかと*1。だから、「大器」である安倍晋三氏を温存したいのでしょう。


ところで、安倍晋三氏は小泉首相以上の靖国大好き派と目されていますが、森氏は「諸君!」2月号のインタビューで「安倍さんは小泉さん以上に靖国関係を上手く処理するだろう」と述べています。残念ながら根拠には言及していませんでしたが。真偽のほどはいかに?


次に、別の意味で面白かったのは谷垣財務相の発言。
靖国参拝問題は「争点にならない」…谷垣氏(読売新聞)

谷垣財務相は11日夕(日本時間12日朝)、靖国神社参拝問題について、「小泉首相の参拝は私人としての参拝であり、そういう意味では総裁選の争点にはならない。私が父の命日に参拝するのが争点にならないのと同じだ」と述べ、総裁選の争点にすべきではないとする首相の考えに理解を示した。

 ただ、谷垣財務相自身の見解については、「この問題は戦略的あいまいさが必要だ」として明言を避けた。

「私人としての参拝」が憲法上問題ないことは確かですが、いま問題になっているのはそういうことではなく、主に「アジア外交」との関連で靖国参拝をどう捉えるかということ。意図的かどうかは分かりませんがピントがずれています。更に揚げ足取り気味に付け加えるなら、退陣する小泉さんの参拝が争点になるはずはありません。少し前に消費税関連で叩かれたせいかどうか分かりませんが、発言に“逃げ”の要素が多すぎるような。まあ、それだけ微妙な問題だと認識している点では評価しておきます。

*1:参院選や消費税のことですな