靖国と総裁選絡みの牽制合戦?

dslender2006-01-11

最近、首相の靖国参拝への懸念発言が目立つ山崎拓氏は、総裁選への出馬も噂されています。
自民・山崎氏「靖国参拝、総裁選の争点に」 (日経)

 【シンガポール=共同】自民党山崎拓前副総裁は10日、シンガポールのホテルで同行記者団と懇談し、今秋の自民党総裁選で靖国神社への参拝問題が争点の1つになるとの認識を示した。

 山崎氏は、安倍晋三官房長官靖国参拝を争点にすべきでないとの考えを示したことに「小泉政治を踏襲するならば、靖国参拝は(候補者)本人の意思表示になる。外交問題ではないと言ったとしても、内政問題であり、争点になる」と反論。「小泉外交の踏襲なのか、独自の外交路線なのかを明確にするかが問われる」と強調した。 (13:48)

総裁選候補者が安倍氏麻生太郎氏のような靖国大好きタイプのみだったら、争点になりようがありません。しかし、それ以外のケースでは争点になるのは不可避でしょう。ポスト小泉の一番手と報じられることが多い安倍氏だけに、山崎氏の動きを牽制しておこうという意図なのかも知れませんが、安倍氏の発言には少々無理があると思います。


とは言え、靖国が第一の争点になるのも余りよろしくないと個人的には思います。一部メディアの報道や政治系ブログの世界では最もホットな靖国問題。しかし、国民生活にとってはもっと大事なことがあるのではないかと。


小泉政権下では、郵政をはじめとする様々な改革が実現し、小さな政府・市場原理主義の方向へ舵が切られました。方向性は大筋で歓迎しています。自民党政権である限り、誰が首相になってもこの路線から大きく外れることはないでしょう。しかし、何もかも市場任せ、民間任せになってしまうのもモンダイ*1。この点にどんな修正を加えていくのか、総裁選の際は候補者の意見を詳しく聞きたいと思っています。消費税増税の実施時期も大問題。


ところで、山崎拓氏の総裁選立候補はあるのでしょうか? 現在の山崎氏の状況では、当選に必要な党内支持を得るのは困難なような気がするのですが…… ひょっとしたら、山崎氏の最近の積極発言は、安倍氏らと立場を異にする実力者を刺激するための一種の牽制球なのかも知れません。具体的にいうと福田康夫氏。福田氏なら、一定以上の党内支持を集めるでしょう*2


山崎拓氏関連のエントリは、気が向いたら明日も続けます。

*1:私が考える市場原理主義の問題点はid:dslender:20060102に書きました

*2:個人的には、汚れ役を一手に引き受けて華々しく散る山崎拓首相を見てみたい気が少しだけするのですが……さすがに実現しないだろうなあ