森喜朗氏の大連立批判

私はid:dslender:20060102#p2で、自民と民主の大連立はあり得ないと予測しました。選挙を考えると民主にとって損だと思われるから、という理由でした。


小泉首相が積極発言をしているせいか、自民党からの大連立否定論はこれまで目立ちませんでしたが、ついに自民党側から大連立批判が出てきました。


森前首相「どうやって選挙」、自民・民主連立を批判(読売新聞)

 自民党森前首相は7日、金沢市内で開かれた公明党石川県本部の会合であいさつし、自民党民主党との大連立構想について、「(自公両党間の)今までの積み重ねを大事にするのが政党政治のあり方だ。仮に大連立しても、(先の衆院選で大勝した与党には)取る小選挙区はない。民主党と一緒にどうやって選挙ができるのか」と批判した。

「取る小選挙区はない」ということは「連立に見合うほどの議席の上乗せがない」ことを意味します。私の予測もほぼ同様(理由は少し異なりますが)。

 ただ、森氏は憲法改正などをめぐる民主党との連携の可能性については否定せず、「小泉首相公明党の神崎代表と話をして中選挙区に戻すというなら、大連立も全く間違った方法だとは思わない」とも述べた。

いきなり中選挙区制の話が出てきたのは公明党の会合だからでしょう。公明党にとって中選挙区が有利なことは周知。さすが「気配りの人」の森さん。


小選挙区制で得をしている議員は自民にも民主にも多いので、中選挙区が簡単に復活することはないでしょう。とは言え、小泉首相も、ポスト小泉の一人である麻生太郎氏も、元々は小選挙区制反対論者。自民党の上層部にはそういう人も結構居ます。何年か後には、ひょっとしたら憲法改正実現のための一種の取引として、中選挙区復活が話題に上ることがあり得るかも知れません。私自身、中選挙区の方が良いと思います。言うまでもなく、理由は死票が少ないという一点に尽きます。