自民党の新綱領の疑問点

中国新聞の記事から引用。

  1. 近い将来、新憲法が制定されるよう、国民合意の形成に努める。
  2. 一人一人が普遍的規範を身につけ、家族のきずなを大切に、国を愛し地域を愛し、共に支え合う強い自覚が共有できるよう努める。教育基本法を改正し、日本人に生まれたことに誇りが持てる、国際感覚豊かな志高い日本人をはぐくむ。
  3. 国、地方を通じて行財政改革を進め、効率的な、透明性の高い、信頼される行政を目指す。地方分権を推進する。
  4. 少子化対策を進め、持続可能な社会保障制度を確立する。
  5. テロと断固たる決意で戦い、日本を世界一、安心・安全な社会にする。
  6. 食糧とエネルギー資源を確保し、経済や国民生活の安定に努める。
  7. 活力と創造力あふれる経済を建設。科学技術立国を目指す。
  8. 世界で最も進んだ循環型社会を構築する。
  9. 「男女がともに支え合う社会」を目指す。
  10. まじめに働く人たちの声を大切にする。

2番目以外はほぼ全面的に賛成。2番目の「一人一人」って誰のこと? 自民党員ならば文句はありませんが、「国民一人一人」の意味なら余計なお世話だと感じますし、党の目標であるべき綱領にもふさわしくないと思います。それに「普遍的規範」って曖昧だと思います。また、一人一人に「国を愛する」ことを求めるのではなく、今後も与党を担い続けるであろう自民党の目標として「愛される国をつくる」と謳う方が、より多くの民衆に支持される可能性が高まるのではないかと。


おそらく、教育基本法に「愛国心」を含めることに熱心な人々の意見から生まれた第2項なのでしょうが、個人的には余り同意できません。


【後刻追記】 読売朝刊に載っていた綱領全文を読む限り、「一人一人」は「国民一人一人」の意味でした。一方、「努める」の主語は「我々は」になっていました(中国新聞の略し過ぎか)。これなら、押し付けがましさは和らぎます。