首相の靖国参拝報道から・その1

私自身の靖国観は上記の読書感想文に端的に現れているので、ここでは今日の小泉首相の参拝状況の報道にリンクして短い所感を書きます。靖国が好きでない人への取材が多目の毎日と、靖国大好き人間のコメントが多目の産経。好対照。
靖国参拝:ポケットからさい銭…簡素に 小泉首相(毎日新聞)

 長野県飯田市の主婦、井原圓(まどか)さん(64)は「A級戦犯など難しい問題はあるが、兄2人を南方で亡くした身内としてはうれしい。小泉首相は頼もしく見えた」と喜んだ。旅行中という山形県大石田町の主婦、有路(ありじ)恵(えい)さん(70)は「戦地で命を落とした一般の兵士の方が、多く祭られている。必要以上に参拝に反対するのはどうか」と理解を示した。

 一方、観光で訪れていた静岡県浜松市、ホームセンター経営、貴島寛さん(55)は「戦没者を大切にするという気持ちは分かるが、私人として来たと言っても、公人として見られてしまうだろう。今は首相なのだから参拝は慎重に考えてほしい」と話した。また、東京都新宿区の大学4年生、本村鮎美さん(22)は「首相である以上、個人の参拝というわけにはいかないのではないか。中国や韓国との波風が立つのでやめてほしかった。(参拝を決断できたのは)選挙で大勝した影響もあったと思う」と冷ややかな表情で語った。

 在日コリアン二世のジャーナリスト、高賛侑(コウチャニュウ)さん(58)=大阪市=は「郵政民営化で、外交や靖国問題がカモフラージュされた衆院選で自民が圧勝し、憂慮していたことが早くも実行された。アジアとの関係や戦後補償を論点にしなくても政治を担えるのは深刻な状況。さらに大きな問題は、これを国民が許容していることだ」と指摘した。「アジア侵略を担った人たちを、追悼でなく顕彰しているのが靖国神社。そこを参拝する意味を多くの日本人は理解していないと思う。世論調査で参拝に反対する理由の多くは『アジアから批判を受ける』だが、日本人が主体的に靖国、そして参拝の意味を考えることが大事だ」と訴える。

首相靖国参拝 献花 記帳なく5分で 参拝客から歓声と批判 (産経新聞)
靖国神社問題に詳しい大原康男国学院大教授の話 「昇殿ではなく拝殿前参拝となったのはこれまでより後退した印象を抱くが、内外の反対に屈することなく5年連続して参拝したことは十分評価できる。来年8月15日には公約通り参拝し有終の美を飾ってほしい。ポスト小泉の首相もこれにならってほしい」

日本遺族会顧問の板垣正・元参院議員の話 「かつては首相が春、秋の例大祭に合わせて参拝しており、今回は参拝として正常な姿だ。今後は8月15日も含めて定着させてもらいたい。スパッと決断する小泉流のやり方が総選挙で賛同され、靖国参拝にもつながったのだと思う。中国、韓国への影響は相手の出方次第だが、参拝は日本の国内問題だ」

戦友らでつくる「英霊にこたえる会」の倉林和男運営委員長の話 「なぜ正々堂々と正式参拝できないのか。モーニングも着ず、拝殿前で賽銭(さいせん)を入れるなど、英霊に感謝の誠をささげる一国の首相のやることではない。二礼二拍手一礼をしなくても、最低限昇殿参拝すべきだった」

今回は、献花料や「内閣総理大臣」の記帳をやめ、昇殿もしない「略式」の参拝でした。これなら十分に私的な参拝と見られるので、一部の裁判官に憲法違反と判断されることはないでしょう*1靖国に対する思い入れを持たない私の目にも、最も無難な形式に映ります。


しかし略式参拝したことで批判する人も居ます。正式に参拝すれば別の誰かに叩かることは必定。小泉さんは大変。


何度も書きますが、感情問題であり宗教問題である靖国問題に万人が納得する決着はあり得ません。

*1:先の大阪高裁での判断は首相参拝そのものが問題視されたわけではなく、2001〜2003年の参拝が政治的行為で違憲と解釈されたのです