憲法9条改正が国民の同意を得るには

私は憲法第9条の第2項は改正する方が良いと思っています。万一集団的自衛権の行使を要求される情勢になったときに現憲法と解釈では身動きが取れなくなり、国益を損なう恐れがあるからです。


現在の国会では第9条の改正を主張する自民党民主党が多数を占めていて、両者が同意できる改正案ができさえすれば、国会議員の2/3の賛成を得ることが可能。


第9条改正への最大のハードルは、国民投票での過半数の賛成でしょう。現在でも、第9条改正に反対する国民は多いと思われます。


改憲反対派の意見は、サイト「マガジン9条」に詳しいです。いちいち引用はしませんが、大まかには次のような主張。

  1. 第9条改正により「戦争ができる国家」になり、戦争になだれこむ危険がある。
  2. 軍備を持つから狙われる。軍備を持たない国は攻撃されない。
  3. 米国追従の集団的自衛権より、国連主導の集団安全保障が望ましい
  4. 徴兵制導入のおそれがある。

これらに軽く反論しておくと、国が戦争をするか否かは憲法だけで決まるのではなく、政治に大きく依存します。9条が改正されても為政者が賢明ならば積極的に戦争に踏み込むことはあり得ないと思います*1。また、世界各所で紛争の絶えない現実を思うと、残念ながら国際法や国連の無力を実感せざるを得ません*2。これらが万全に機能していれば非武装も可能なのですが…… また、現代のハイテク軍隊にとって徴兵制はマイナスなので、政治家がマトモならば導入されないでしょう。


改正派は、多くの国民に納得してもらえる案を作り、説明していかねばなりません。


実は、http://d.hatena.ne.jp/dslender/20050924にも書きましたが、私も学生時代には自衛隊は要らないと思っていましたし、第9条改正などもってのほかだと思っていたので、護憲派の気持ちは結構分かるのです*3。改正派の人たちが次のような案や主張を出せば、現在護憲を主張する人々の中にも私のように翻意する人が現れるのではないかと。

  1. 具体的な改正案は、変に表現をいじらずに実質的な改正で満足する*4
  2. 戦争を賛美するつもりがないことを明確にアピールする*5
  3. 徴兵制放棄を明文化しても良いのではないか。

この他にもポイントはあるかも知れません。気が付き次第追記します。

*1:戦争って恐ろしく莫大なリスクを背負う行為ですから

*2:利害の異なる国が集結しての「国連軍」には無理があるのかも知れません。また、国際法は国内法と異なり強制執行力が無いので、容易に破られてしまいます

*3:私が学生の頃はソ連も存在し、未だ冷戦。しかし、当時よりも現在の方が日本の軍事的危機は高まっているように感じます

*4:復古調に抵抗感を抱く人は相当数居ると思われます。というか、実は私も復古的な表現は嫌い

*5:つくる会」のような主張が存在する限り、難しいかも知れませんが…