自民党−創価学会会談報道への驚き
安倍首相と小泉前首相が、創価学会のTOPと会談したことがマスメディアで大きくとりあげられています。少し驚きました。
安倍首相:創価学会の池田氏と会談 総裁選後に極秘で(毎日新聞)
安倍氏、小泉氏が創価学会の池田氏と9月に相次ぎ面会(日経新聞)
日経の方から引用します。
安倍晋三首相が就任直前の9月22日に公明党の支持母体である創価学会の池田大作名誉会長と会談していたことが7日、分かった。自民党総裁就任のあいさつを名目に首相側が申し入れた。首相の祖父、岸信介元首相と学会の戸田城聖元会長が親しかったことなどが話題になり、日中関係などでも意見交換した。
9月28日には小泉純一郎前首相も退任あいさつのため、池田氏と面会。2人が会ったのは初めてで、小泉氏は在任期間中に国政選などで公明党、創価学会から受けた支援に謝意を表明した。
報じられた事実そのものは、大した話ではありません。
自公連立政権以前から(それこそ記事中に言及されている岸信介氏の時代から)自民党と創価学会との人脈があったことは事実ですし、自民党総裁が連立を組む政党の支持団体のトップの所に挨拶に行くこと自体は不思議ではありませんし、何らモンダイありません*1。
ただ、マスメディアが明確に報じたことに驚きました。過去に無かったことではないでしょうか*2。しかも、毎日記事によると「極秘」であったはずの会談が、2週間以上経過してから報じられるのは不思議。
ちなみに、小泉前首相については、10月1日放送の「バンキシャ!」で信濃町に車で乗り付けた映像が流れました。明らかに創価学会本部への挨拶目的だと判る情景でしたが、番組内では言及なし。私はこれを見て、今回もメディア報道は無いと思っていたのですが……
今回、何故ここまで大きく報道されたのでしょうか?
これ以降の記述には私の推量が混じることをご了承ください。
この報道で得をするのは誰でしょう? 安倍氏といえば、首相就任前からタカ派イメージが付いていた人。タカ派イメージは公明党を支持する創価学会員に敬遠されやすい要素なので、自公連立政権維持へのアキレス腱になる可能性大。ところが、安倍首相と池田名誉会長が良好な関係にあることが保証されれば、安倍氏への心証が一気に好転することは確実です。負のイメージを打ち消すのに十分過ぎるほどのインパクトがあるはず。
このような効果を狙った「誰か」が、メディアにうまく根回しをしたというのは、私の考えすぎでしょうか。仮にそうだとしたら、そしてその「誰か」が首相周辺だとすれば、安倍氏はなかなかの策士だと思います。
安倍首相の就任以来の動きを眺めてみると、公明党や中韓などのデリケートな扱いを要する勢力とは、今のところそれなりにうまくやっているように見えます。実は、私は小泉首相時代は安倍氏に対して余り関心が無かったのですが*3、今後は少し楽しみ。勿論、首相としての評価を下せるのはまだまだ先の話。所信に掲げた「美しい国、日本」をどのように実現していくのか、今後も注目してまいります。