量的緩和解除について

昨日の各紙朝刊のトップは軒並み日銀の量的緩和政策終了のニュースでした.国民生活への直接の影響が少ない金融政策だけに,量的緩和とは何であるか知らなかった人も少なくないでしょう.今から私が1段落で強引にまとめてみます.


日銀が行う金融政策のうち,市場に出回る資金を増やす方向の政策を「金融緩和」と言います.現在も継続中の「ゼロ金利政策」も金融緩和政策の一種.さて,量的緩和とは、資金の量そのものを大量に増やす政策*1.具体的には,市中銀行向けの日銀の当座預金残高を増やします.銀行は日銀当座預金を用いて企業などにお金を貸すのですが、量的緩和状態のもとでは残高がたっぷりあるので,“金融不安”は解消され,企業は安心してお金を借りて経済活動を行うことができます*2量的緩和の最大のメリットはこの安心感だという説もあります.結果的に景気が(緩やかにですが)回復傾向に突入したので、日銀はこのたび量的緩和政策の終了に踏み切ったのです.


もう少し詳しい説明を要するなら,次のWeb pageが初心者向けだと思います.最新のニュースも反映していますし,日銀と政府の立場の違いなども分かりやすく書かれています.http://www.findai.com/yogo/0241.htm(金融大学)


量的緩和解除発表後,株価は一時的に上昇しました.とりあえず市場は決定を好意的に受け止めたと判断できます.実際,ゼロ金利政策は継続中なので,今後の経済にさほどの影響を与えることはないだろう,と推測しておきます.

*1:量的緩和は,世界では殆ど例を見ない異例の金融緩和だそうです

*2:量的緩和状態でも,不良債権整理の名目で中小企業への貸し渋りが行われていたのは良くない,という指摘も(主に現政権に批判的な人々から)なされています.例えばhttp://blog.goo.ne.jp/e-hori/e/c8f481eb88374b32fdb5d5713f3391e1